寝る前に牛乳を飲むデメリットとは?睡眠への悪影響や消化不良の問題
「寝る前に牛乳を飲むとよく眠れる」と聞いたことがある方も多いでしょう。
しかし、寝る前のタイミングで牛乳を飲むことには、いくつかのデメリットが存在します。
たとえば、消化不良や睡眠の質の低下などが挙げられ、なかには太るリスクにつながるような要因もあります。
この記事では、寝る前に牛乳を飲むことによるデメリットや、睡眠との関係について詳しく解説していきたいと思います。
寝る前に牛乳を飲むデメリットとは
寝る前のタイミングで牛乳を飲んだ場合、以下のようなデメリットがあります。
消化不良を引き起こすリスクがある
寝る前に牛乳を飲むと、消化不良を引き起こすことがあります。
牛乳には脂肪分や糖質が含まれており、これらは消化に時間がかかります。
特に寝る直前に飲むと、消化器官が夜間も活動を続け、体が完全に休息できなくなります。
結果として、胃の不快感や消化不良を感じることがあり、これが熟睡を妨げる原因にもなります。
さらに、乳糖不耐症の方にとっては、牛乳に含まれる乳糖が分解されずに腸内でガスを発生させ、腹痛や下痢を引き起こすリスクがあります。
これは特に消化が遅い時間帯に飲むと顕著で、睡眠中に腹痛で目が覚めたり、夜間にトイレに行く回数が増えることがあり、睡眠の質が低下する要因になります。
お腹の弱い方や牛乳で下痢をしやすい人などは、特に注意しておく必要があります。
眠りが浅くなる可能性がある
寝る前に牛乳を飲むとよく眠れると言われることがありますが、必ずしもその効果が期待できるとは限りません。
牛乳に含まれるトリプトファンというアミノ酸は、脳内でリラックス作用のあるセロトニンを生成し、そこからメラトニンという睡眠ホルモンに変わります。
このため、理論的には牛乳を飲むと眠りやすくなるとされています。
しかし、トリプトファンからメラトニンが生成されるまでにはそれなりの時間がかかります。
寝る直前に牛乳を飲んでも、すぐに効果が現れるわけではないのです。
また、ホットミルクを飲むことで体が温まり、深部体温が下がっていく過程で眠気を感じやすくなるため、一見すると良く眠れるようにも思えます。
しかし、前述のように牛乳は消化に時間がかかるため、胃腸に負担がかかって睡眠が妨げられるというデメリットも一緒に発生してしまいます。
牛乳には「安眠できる効果」と「睡眠を妨げる効果」がどちらもあるため、一長一短の飲み物なのです。
虫歯のリスクが高まる
寝る前に牛乳を飲むと、虫歯のリスクが高くなることがあります。
牛乳には乳糖という糖分が含まれており、この糖分が口内に残ったまま寝てしまうと、虫歯の原因となります。
特に寝ている間は唾液の分泌が減少し、口内の自浄作用が低下するため、糖分が歯に付着しやすくなります。
これにより、細菌が繁殖しやすくなり、結果として虫歯が進行しやすくなるのです。
牛乳に含まれるカルシウムは歯に良いとされていますが、それでもやはり糖分の悪影響を無視することはできません。
牛乳を飲んだ後に歯磨きをしっかりすればリスクを抑えられるので、飲んでそのまま眠らないように注意してください。
寝る前に牛乳を飲むと太るのか?
牛乳は適量(約200ml程度)であれば、すぐに体重増加に結びつくことはありません。
1杯の牛乳は約130キロカロリーであり、これだけで太るリスクは低いです。
しかし、寝る直前に牛乳を飲むと、睡眠の質の低下が間接的に肥満のリスクを高める可能性があるため注意が必要です。
睡眠不足や睡眠の質の低下は、肥満の原因のひとつです。
睡眠が不足すると、レプチンという食欲を抑えるホルモンが減少し、グレリンという食欲を増進させるホルモンが増加します。
これにより、日中に食欲が増し、特に高カロリーな食品を好んで摂取しやすくなります。
さらに、睡眠不足は代謝を低下させ、消費エネルギーが減少するため、結果的に体重が増えるリスクが高まります。
牛乳で太ることはなくても、寝る前に飲んで睡眠を妨げることは、間接的に太る原因を作ってしまうことになるのです。
寝る前に牛乳を飲む際の注意点
牛乳は寝る何時間前に飲むべき?
牛乳を寝る前のタイミングで飲むとデメリットが多いため、もう少し前の時間帯に飲むことをおすすめします。
具体的には、夕食時もしくは寝る2~3時間前が良いでしょう。
この時間帯であれば、牛乳に含まれる脂肪やタンパク質を就寝までには消化することができます。
また、牛乳に含まれるトリプトファンがメラトニンに変わるまでには時間がかかるため、その時間を確保することにもつながります。
こうすれば、消化不良のリスクを回避しつつ、牛乳のメリットである入眠効果を活かせるわけです。
なお、牛乳を飲むと下痢をしやすい方は、もともと牛乳が体質に合っていないため、どのタイミングであっても飲まないほうが良いでしょう。
夜に牛乳の代わりに飲むべきなのは?
寝る前に牛乳の代わりに飲むべきおすすめの飲み物としては、ハーブティーやホット白湯が挙げられます。
これらは消化に負担をかけず、リラックス効果があるため、睡眠の質を向上させる助けになります。
例えば、カモミールティーはリラックス作用があり、眠りにつく前に神経を落ち着かせる効果があります。
カフェインを含まないため、就寝前でも安心して飲むことができ、心身をリラックスさせる手助けになります。
また、温かい白湯は消化器官に負担をかけず、体を温めて副交感神経を刺激し、自然な眠気を促進します。
これらの飲み物は、牛乳のように消化に時間を要することがないため、寝る直前でも安心して飲むことができ、寝つきが良くなる効果が期待できます。
ホットミルクは痩せる効果がある?
ホットミルクが直接的に痩せる効果をもたらすわけではありませんが、適切に摂取することで間接的にダイエットに役立つ可能性はあります。
ホットミルクには、満腹感を与える効果があり、食事の前や間食代わりに飲むことで食べ過ぎを防ぐことができます。
また、牛乳に含まれるカルシウムは、脂肪の代謝を助ける効果があるとされており、適度な量を摂取することで体脂肪の増加を抑えるサポートになることもあります。
さらに、ホットミルクを飲むと体が温まり、体温が下がっていく過程でリラックス効果を得られるため、ストレスを軽減することができます。
ストレスが原因で過食に走る傾向のある人にとって、ホットミルクは間接的に体重管理をサポートする飲み物と言えるでしょう。
ただし、ホットミルクに砂糖やはちみつを加えるとカロリーが高くなるため、摂取量に気をつけることが大切です。
痩せる効果を期待するなら、カロリー管理をしながら、あくまで補助的に取り入れるのが良いでしょう。
夜に飲むのはおすすめできませんが、上手く使えば食べ過ぎを防止できるので、自分に合った飲み方・飲むタイミングを見つけてみてください。
まとめ:寝る前に牛乳を飲むことはデメリットが多く、おすすめできない。寝る2~3時間前までに飲むか、夜は他の飲み物を選ぼう。
この記事のポイントをまとめます。
- 寝る前に牛乳を飲むと消化不良を引き起こすリスクがある
- 牛乳に含まれる脂肪分や糖質は消化に時間がかかる
- 寝る直前に飲むと胃腸に負担がかかり睡眠が妨げられる
- 乳糖不耐症の人は牛乳で下痢や腹痛を引き起こしやすい
- 睡眠中に消化活動が続き、体が休まらない可能性がある
- 牛乳に含まれるトリプトファンの効果はすぐに得られない
- 牛乳は「安眠効果」と「睡眠を妨げる効果」が両立する飲み物である
- 牛乳を飲んだ後に歯磨きをしないと虫歯のリスクが高まる
- 牛乳には乳糖という糖分が含まれており、虫歯の原因になる
- 寝る前に牛乳を飲むことで睡眠の質が低下し、肥満リスクが高まる
- 睡眠不足は食欲を増進させ、肥満につながりやすい
- 代謝が低下し、消費エネルギーが減ることで体重増加のリスクがある
- 牛乳は寝る2~3時間前に飲むのが理想的である
- ホットミルクに砂糖を加えるとカロリーが増え、太るリスクが高まる
- 牛乳が合わない体質の人は他の飲み物(ハーブティーや白湯)を選ぶ
【参考】
寝る前に麦茶を飲むと太る?痩せる?睡眠への影響と飲み方のコツ
寝る前にオレンジジュースを飲むと太る?痩せる?飲み方の注意点
寝る前にコーンスープを飲むと太る?睡眠への影響と飲み方のコツ
寝る前におしるこを食べると太る?痩せる?睡眠への影響について
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