寝る前にピザを食べると太る?消化や睡眠に及ぼす悪影響について
仕事や勉強で帰りが遅くなった日の夜、無性にピザが食べたくなることはありませんか。
しかし、「食べたら太るかな」「体に悪いのでは?」と罪悪感を感じたり、ダイエット中だからと我慢したりする方も多いでしょう。
また、夜中の食事は睡眠の質にどう影響するのかも気になりますよね。
この記事では、そんな悩みを解決するために、寝る前のピザとの上手な付き合い方や、太りにくい食べ方のコツを、さまざまな情報に基づいて詳しく解説します。
- 寝る前のピザが体や睡眠に与える影響
- 太りにくいピザの選び方と食べ方のコツ
- ピザを食べたくなった時の代替案や我慢する方法
- 食べた後の罪悪感を減らす翌日のケア
寝る前のピザが及ぼす身体への影響
夜寝る前にピザを食べると太る?
結論から言うと、寝る前にピザを食べると太りやすいというのは事実です。
もちろん、ピザを食べたからといって必ず太るわけではありませんが、他の時間帯に食べるのと比較して、夜、特に就寝直前の食事は脂肪として蓄積されやすい傾向にあります。
私たちの体には「BMAL1(ビーマルワン)」という、脂肪の蓄積を促進するたんぱく質が存在します。
このBMAL1は、時間帯によって体內での量が変動し、特に午後10時から深夜2時にかけて最も多くなるといわれています。
この時間帯にカロリーの高いピザを食べると、エネルギーとして消費されなかった分が効率よく脂肪に変換されてしまうのです。
一般的なピザはMサイズ1枚で1000kcalを超えることも珍しくなく、高カロリーな食べ物です。
夜は日中に比べて活動量が減り、エネルギー消費も少なくなるため、食べたものがそのまま余剰エネルギーとなりやすいのです。
つまり、同じものを食べても脂肪として蓄積されやすくなります。
特に脂質や糖質が多いピザは、夜食としては注意が必要なメニューと言えるでしょう。
ピザが体に悪いとされる理由はなに?
ピザが「体に悪い」というイメージを持たれるのには、いくつかの理由があります。
主な原因は、その栄養成分の偏りにあります。
第一に、ピザは高カロリー・高脂質・高糖質な食べ物です。
生地は小麦粉(糖質)で作られ、トッピングにはチーズやサラミ、ベーコンといった脂質の多い食材がふんだんに使われることが多いです。
これらの成分は美味しい反面、摂りすぎると肥満や生活習慣病のリスクを高める可能性があります。
第二に、消化に負担がかかる点です。
脂質の多い食事は胃腸に長く留まり、消化活動に多くのエネルギーを要します。
就寝前に食べると、寝ている間も消化器官が働き続けることになり、体が十分に休まらず、翌朝の胃もたれにつながることもあります。
さらに、血糖値の乱高下も指摘されています。
精製された小麦粉から作られるピザ生地は、食後の血糖値を急激に上昇させる可能性があります。
その後、インスリンの働きで血糖値が急降下すると、不快感や気分の落ち込みを感じる人もいるようです。
一方で、ピザには良い栄養素も含まれています。
例えば、トマトソースに含まれるリコピンは抗酸化作用が期待できますし、チーズからはカルシウムやたんぱく質を摂取できます。
トッピング次第では、バランスの取れた食事にもなりうるのです。
ピザの消化にはどれくらい時間がかかりますか?
食べ物が胃で消化される時間は、その内容によって大きく異なります。
一般的に、果物などは30分~1時間程度、野菜やご飯は2~3時間で消化されるといわれています。
一方で、ピザのように脂質を多く含む食べ物は、消化にさらに長い時間が必要です。
専門家の情報によると、脂肪の多い食事の消化には4~5時間かかることもあるとされています。
ピザの生地に使われる炭水化物と、チーズや肉類などのトッピングに含まれる豊富な脂質が組み合わさることで、胃腸への負担は大きくなり、消化に時間がかかる食べ物といえます。
寝る直前にピザを食べると、胃の中に未消化の食べ物が残ったまま眠りにつくことになり、これが睡眠の質の低下や翌朝の不快感の原因となります。
就寝前のピザは睡眠にどう影響する?
就寝前にピザを食べると、睡眠の質が著しく低下する可能性があります。
その理由は、主に消化活動にあります。
本来、睡眠中は心身を休息させ、回復させるための時間です。
しかし、寝る直前に食事をとると、体は消化活動を優先せざるを得ません。
寝ている間も胃や腸が活発に働き続けるため、脳は休もうとしても体が「休息モード」に切り替わりにくくなります。
具体的には、以下のような影響が考えられます。
- 眠りが浅くなる: 消化器官の活動が続くことで、深い眠りである「ノンレム睡眠」の時間が短くなることがあります。
- 中途覚醒が増える: 消化による不快感や、胃酸の逆流(逆流性食道炎のリスク)によって、夜中に目が覚めやすくなる可能性があります。
- 入眠を妨げる: 特にスパイシーなピザや、コーラのようなカフェインを含む飲み物と一緒に食べた場合、交感神経が刺激され、寝つきが悪くなることもあります。
快適な睡眠のためには、就寝中は消化器官をしっかりと休ませてあげることが重要です。
夜食を摂る場合でも、消化に良いものを選ぶことが睡眠の質を保つカギとなります。
ピザとご飯、どっちが太りますか?
「ピザとご飯、どちらが太りやすいか」という疑問は、ダイエット中なら誰しもが気になるところでしょう。
単純な比較は難しいですが、一般的には同じ量を食べるならピザの方が高カロリー・高脂質になりやすく、太りやすいと考えられます。
ご飯(白米)の主な栄養素は炭水化物(糖質)です。
一方、ピザは生地の炭水化物に加え、チーズ、オリーブオイル、肉類の加工品などから多くの脂質を摂取することになります。
脂質は1gあたりのカロリーが9kcalと、炭水化物やたんぱく質(4kcal)の2倍以上あるため、全体のカロリーを押し上げる大きな要因です。
具体的な数値で比較してみましょう。
食品(100gあたり) | カロリー | 糖質 | 脂質 |
---|---|---|---|
ピザ(ミックス) | 約279kcal | 約26.2g | 約13.8g |
ご飯(うるち米) | 約156kcal | 約35.6g | 約0.3g |
※数値は一般的なものであり、製品や調理法によって異なります。
「食品成分データベース」等の情報を参考にしています。
このように、脂質の量が圧倒的に違うことが分かります。
もちろん、ご飯も食べ過ぎれば太りますが、ピザはトッピング次第でさらにカロリーや脂質が跳ね上がるため、より注意が必要と言えるでしょう。
寝る前のピザと後悔なく付き合う方法
ピザを食べるなら寝る何時間前まで?
やむを得ず夜にピザを食べる場合、最も重要なのは「時間」です。
専門家の多くが推奨しているのは、就寝の3時間前までに食事を済ませることです。
前述の通り、ピザは消化に時間がかかる食べ物です。
胃の中の内容物が消化され、小腸に送られるまでには、少なくとも2~3時間が必要とされています。
脂肪分の多いピザであれば、それ以上の時間がかかる可能性も考慮すべきでしょう。
理想は3時間前、最低でも2時間は空けよう
体に負担をかけず、睡眠の質を維持するためには、就寝3時間前が理想的な食事時間です。
もし難しい場合でも、最低2時間は空けるように心がけるだけで、体への影響は大きく変わってきます。
例えば、夜23時に寝る生活サイクルの人であれば、20時までにはピザを食べ終えるのがベストです。
この時間を意識するだけで、肥満のリスクや睡眠への悪影響をかなり軽減できます。
ダイエット中でもピザが食べたい場合には?
ダイエット中だからといって、大好きなピザを完全に我慢するのは辛いものです。
ストレスを溜めないためにも、食べ方を工夫して上手に取り入れましょう。
生地の選び方
ピザのカロリーを大きく左右するのが生地です。
ふっくらとした厚い生地よりも、カリッとした薄いクリスピータイプの生地を選ぶだけで、糖質の摂取量とカロリーを大幅にカットできます。
ドミノ・ピザのMサイズマルゲリータの場合、ハンドトス生地に比べてウルトラクリスピークラストは300kcal以上もカロリーが低いという情報もあります。
トッピングの選び方
トッピングは、野菜やきのこ、シーフードが中心のものを選びましょう。
食物繊維が豊富な野菜は満足感を高めてくれます。
逆に、サラミやベーコン、ソーセージといった加工肉や、マヨネーズ系のソースは脂質と塩分が多いため避けるのが賢明です。
食べ方の工夫
ピザを食べる前に、野菜サラダや具だくさんのスープを摂る「ベジファースト」を実践しましょう。
食物繊維を先に摂ることで血糖値の急上昇を穏やかにし、満腹感からピザの食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。
また、よく噛んでゆっくり食べることも、満腹中枢を刺激し、少量で満足するために重要です。
最近では、糖質を大幅にカットしたピザも市販されています。
例えば、シャトレーゼの「糖質86%カットのピザ」は、食物繊維を活用することで糖質を抑えつつ、満足感を得られるように工夫されています。
(参照:シャトレーゼ公式サイト)
食べる際の飲み物にも注意が必要
ピザを食べる際に、ついセットで頼んでしまう飲み物にも注意が必要です。
せっかくピザの選び方を工夫しても、飲み物で余計なカロリーや糖質を摂取してしまっては元も子もありません。
避けるべき飲み物の例
- 炭酸飲料(コーラなど): 大量の砂糖が含まれており、カロリーオーバーの大きな原因になります。また、炭酸が胃を刺激することもあります。
- アルコール(特にビール): アルコール自体にカロリーがある上、食欲を増進させてしまう可能性があります。また、利尿作用で睡眠の質を妨げることも。
- 甘いジュース類: 果糖ブドウ糖液糖などが多く含まれ、血糖値の急上昇を招きます。
おすすめは、水やお茶(カフェインの少ない麦茶やハーブティー)、無糖の炭酸水です。
これらはカロリーがなく、食事の満足感を高める手助けにもなります。
特に温かいお茶は、体を温めてリラックス効果も期待できるでしょう。
深夜の「ピザ食べたい!」を我慢するには?
深夜に突然襲ってくる「ピザが食べたい!」という強い欲求。
これは、ストレスや睡眠不足が原因である可能性も指摘されています。
そんな時は、食べる以外の方法で気を紛らわせるのが効果的です。
軽い運動で食欲を紛らわす
その場での足踏みや軽いストレッチなどを行うと、アドレナリンが分泌されて血糖値が少し上がり、空腹感が和らぐことがあります。
ただし、激しい運動は交感神経を活発にしてしまい、逆に寝付けなくなるので注意しましょう。
入浴でリラックスする
ぬるめのお湯にゆっくり浸かると、副交感神経が優位になりリラックスできます。
血行が良くなることで胃の働きが一旦落ち着き、空腹感を忘れさせてくれる効果が期待できます。
歯磨きで気分を切り替える
歯磨きをすると、口の中がさっぱりして「これから何かを食べる」という気分がリセットされます。
ミント系の爽快な歯磨き粉を使えば、より気分転換になるでしょう。
脳に対して「食事は終わり」という合図を送る効果もあるとされています。
それでもどうしても何か口にしたい…。
そんな時は、次の見出しで紹介するような、夜食向きの食べ物を少量だけ摂るのがおすすめです。
夜遅くに食べても太らない食べ物は?
空腹でどうしても眠れない時は、我慢しすぎるとかえってストレスになり、睡眠の質を下げてしまいます。
そんな時は、低カロリーで消化が良く、温かいものを少量摂るのがおすすめです。
夜食におすすめの食品リスト
- 豆腐: 低カロリーでたんぱく質が豊富。温かい湯豆腐などにすると満足感もアップします。
- サラダチキン: 高たんぱく・低脂質・低糖質の代表格。コンビニでも手軽に購入できます。
- ゆで卵: 良質なたんぱく質をバランス良く含んでいます。
- おでん: 大根やこんにゃく、しらたきなど低カロリーな具材を選びましょう。
- 春雨スープ: 温かく、カップ麺に比べてカロリーが低めです。
- 温かいハーブティーやホットミルク: カフェインを含まない温かい飲み物は、体を温めリラックスさせてくれます。
これらの食品は、空腹感を満たしつつも胃腸への負担が少なく、睡眠を妨げにくいのが特徴です。
ただし、どんなものでも食べ過ぎは禁物。
「小腹を満たす程度」に留めておくことが大切です。
寝る前のピザとの付き合い方について|総括
最後に、この記事の要点をまとめます。
寝る前のピザと上手に付き合うためのポイントを覚えて、罪悪感なく食事を楽しみましょう。
- 寝る前のピザは太る原因になりやすい
- 特に夜間は脂肪を溜め込みやすい時間帯
- 高脂質と高糖質で消化に時間がかかる
- 消化活動が睡眠の質を低下させる恐れがある
- 理想は就寝の3時間前までに食べ終えること
- 生地は厚いものより薄いクリスピータイプを選ぶ
- 全粒粉やカリフラワーを使った生地も選択肢になる
- トッピングは野菜やシーフードを中心に選ぶ
- ベーコンやサラミなどの加工肉は避ける
- マヨネーズ系のこってりしたソースにも注意
- 食べる前にサラダやスープを取り入れると効果的
- 飲み物は水やお茶(カフェインレス)が最適
- どうしても食べたい時は消化の良い代替食品を検討する
- 食べてしまった翌日は食事を軽くし運動を心がける
- 我慢しすぎず食べ方を工夫して上手に付き合うことが大切